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風邪っぽくないのに微熱が続いて困っている…。それって更年期障害ではありませんか?

2026年5月5日

・更年期に熱っぽくなる理由

更年期の女性では、微熱が出てほてりを感じることがよくあります。これは卵巣機能が低下していることが原因です。卵巣からはエストロゲンという女性ホルモンが分泌されています。エストロゲンは子宮や卵巣などの生殖器だけではなく、全身の臓器で重要な役割を果たしています。

エストロゲンが低下すると、カテコールアミンというホルモンが上昇します。カテコールアミンが分泌されると、心拍数が増加したり血圧が上がったりして、ヒトの体は戦闘態勢になります。つまり緊張しているときに放出されるホルモンです。そして体温が上がり、汗をかくようになります。

別名幸せホルモンと呼ばれているセロトニンは、分泌されるとリラックスした気分になります。更年期になりエストロゲンが低下するとセロトニンも低下してしまうと言われています。するとセロトニンは体温を調節する役割も持ちますので、体温をうまく保つことが難しくなります。

更年期以外の原因においても微熱がでることはあるので要注意です。頻度が高い病気としては甲状腺機能亢進症があります。甲状腺は首の真ん中にある臓器です。甲状腺から出ているホルモンは体温調節において重要な役割を果たしています。甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が異常を来し、ホルモンが多く分泌されることを言います。甲状腺ホルモンが増えると、微熱が出ます。外が暑くないのに汗がいっぱい出る、しっかり食べているのに体重が減る、疲れやすくなる、動悸などの症状も見られます。

その他にも褐色細胞腫というカテコールアミンが異常に分泌される病気やアジソン病という副腎皮質の機能が低下する病気においても微熱は見られます。

・対策

更年期障害では体温調節がうまくいかないためほてりを感じます。服装を工夫をすることによって対策することが可能です。綿などの吸湿性のよい下着や寝具を身に着けるようにしましょう。外出時には上着を持参し、脱いだり着たりすることが簡単にできるようにしておくとよいかと思います。ほてりが出てきたときには、クーリング作用がある制汗剤や冷たいタオルなどを使って体温を下げるようにしましょう。辛いものやアルコールは体温が上がりやすくなるので摂りすぎないよう注意が必要です。肉や乳製品などコレステロールが上がりやすい食事は控えましょう。大豆やお茶はコレステロール低下に有効と言われています。

更年期以外の病気によって微熱が出ていることもあります。対策を行っても症状が続く場合には病院を受診し、他の病気が隠れていないか調べてみることをおすすめします。

・まとめ

更年期の女性では体温調整がうまくいかなくなり、微熱が出ることがよくあります。卵巣の機能が下がってきていることが原因と考えられています。

微熱以外にも疲れやすい、体重が減ってきた、多量の発汗があるなどの症状があれば病院を受診することをおすすめします。更年期以外の疾患が原因となって微熱が出ている可能性があるからです。

服装や食事を工夫することで、ほてりや熱感は軽減できます。まずは生活のちょっとした工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

・参考文献

内分泌疾患と微熱 JIM8巻11号

ホルモン療法の副作用対策 臨床泌尿器科69巻5号