手指のしびれは更年期症状なの?
2026年5月5日
◎女性ホルモンが変化すると手指がしびれる
更年期の女性において「手指がしびれている」と感じている方はたくさんいらっしゃいます。手指のしびれの原因のひとつとして女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少することが考えられています。
エストロゲンなどのホルモンは臓器に存在している受容体に結合することによって働きます。エストロゲンの受容体にはアルファとベータが存在しています。アルファ受容体は子宮/卵巣や乳腺などの生殖器系の臓器に存在しています。一方、ベータ受容体は骨、関節、靭帯、腱などに分布しています。
エストロゲンが十分に分泌されているときには、ベータ受容体を通じてエストロゲンが働くので、骨や関節の潤いや血流が保たれています。更年期になり卵巣機能が低下してくると、エストロゲンの作用も減少してしまいます。すると軟骨や筋肉が衰えたり、関節内の水分が減少したり、血流が悪化したりするので、手指のしびれを引き起こすと考えられます。
◎しびれへの対策
しびれの原因は更年期だけではありません。糖尿病、関節リウマチなどの病気や変形性脊椎炎などの整形外科疾患や脳血管障害が原因となっていることもあります。更年期と決めつけずに、まずは専門医の診察を受けることをおすすめします。
特に異常が見つからなかった場合には更年期が原因である可能性が高くなります。まずは生活習慣を見直してみましょう。冷えると血行が悪化し、しびれも強くなります。着衣や室温に注意して体を冷やさないようにしましょう。体を冷やすような食べ物は控えましょう。運動習慣をつけ、筋肉量が減らないようにすることも大切です。タバコを吸う方は、喫煙により血流が悪化する恐れがあるので禁煙を心掛けましょう。
エクオールはエストロゲンベータ受容体に結合しやすく、骨や滑膜に作用しやすいと言われています。しびれ改善に対して効果が期待できます。
ホルモン補充療法や漢方薬も有効であると言われています。このような治療を受けたい場合には婦人科で相談してください。
◎まとめ
更年期女性の手指のしびれは、卵巣機能の低下が原因の一つと考えられています。
エストロゲンは関節や滑膜を健康に保つ役割を担っており、卵巣機能低下により関節や神経系のトラブルにつながります。
体を冷やさないようにすることや運動・ストレッチを行うことなど生活習慣を見直すとしびれを改善することはできます。エクオールも有効であると言われています。病院でホルモン補充療法や漢方薬を処方してもらうことも有効と考えられている治療法です。
手指のしびれは我慢せず、原因の検索や有効と考えられている対策、治療法を試してみましょう。
・参考文献
総合診療 29巻4号 (2019年4月発行)pp.445-449
臨床整形外科 58巻10号 (2023年10月発行)pp.1275-1278